#7 高遠そば(大内宿)
忘れられない旅行メシ、第7弾は福島編。このシリーズも東北地方最後である。福島県は北海道旅行と東北旅行の両方で経由するうえ、鉄研OB会御用達の湯野上温泉もあり、馴染みが深い土地である。
しかし考えると、泊まったことがあるのは若松、猪苗代と湯野上なので、すべて会津地方。中通りは何度も通ったが通過のみで、浜通りにいたっては1度しか通ったことがない。地方によって訪れた数の差が大きい県かもしれない。
そんな福島県で記憶に残る旅行メシは「高遠そば」だ。会津地方、湯野上温泉近くの大内宿には3度行ったことがある。茅葺き屋根が立ち並ぶ街道の宿場は、何度訪れても絶景で、心を落ち着かせてくれる。
そこで食べられる忘れられないグルメは「高遠そば」である。茅葺き屋根の住宅兼店舗でいただける。別名ねぎそば、一本そばともいう。有名なのでご存じの方も多いと思うが、そばにねぎ1本刺さっているビジュアルには知っていても驚かされる。このねぎ、2通りの使い方があり、箸代わりとして、またそのままかじって薬味としていただくのである。
このねぎに目が行きがちであるが、そば自体も絶品である。大根おろしのほのかな辛味がまた合う。大内宿それ自体が心を落ち着かせてくれる場所であるが、さらに心を満たしてくれる、そんな味であった。(ねぎを少しばかり残してしまう形になるのがしのびないのではあるが…)
ところで、なぜねぎで食べる形になったのだろうか。どうやらそばは古くから縁起のいい食べ物でねぎを「切る」というのが縁起が悪かったから、もともとねぎをお椀に挿して子孫繁栄を願うという風習があったから、だそうだ。
また、そもそも「高遠」は長野県の地名である。もともと高遠藩の藩主であったそば好きの保科正之が、会津藩に伝えたのが理由だそうだ。そして、会津地方の「高遠そば」人気を受け、本家長野県の高遠でも高遠そば店が出されるようになったとか……。味がつなぐ地方の縁もまた面白い。今度は長野県高遠のそばも食べてみたいものである。
みなさまの旅行メシも是非コメント欄でお聞かせください…!
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